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犬や猫が安心して遊べる庭づくり|外構・植栽・床材のポイント

2025.09.08

庭づくり・育て方

ワンちゃん・ネコちゃんと自宅の庭で過ごすひとときは、家族にとって特別な時間です。走り回ったり日向ぼっこをしたり、自然の中でのびのびと遊ぶ姿は心を癒してくれます。
しかし一方で、熱中症や脱走、誤食やケガといったリスクが潜んでいるのも事実です。
そこで本記事では、犬や猫にやさしい庭づくりのポイントを総合的にご紹介します。安心・快適な庭空間を考えるヒントにしてみてください。

犬や猫の遊び場づくりのポイント

犬や猫が庭で安心してのびのび過ごすためには、遊び場の設計がとても重要です。庭は単なるスペースではなく、犬や猫にとって運動不足やストレス解消の場になります。ここでは「ドッグラン設計」「アジリティや遊具」「安全性とデザインの調和」という3つの視点で考えてみましょう。

ドッグラン設計

ドッグランをつくる際に大切なのは、犬や猫の大きさや運動量に合った広さと形状です。小型犬なら幅5m前後でも直線的に走れるスペースがあれば十分ですが、中型・大型犬では方向転換やスピード調整ができる広めのレイアウトが望ましいでしょう。庭の形に合わせて直線や曲線を取り入れると、自然な動きで遊べます。
床材選びも重要なポイントです。天然芝や遮熱人工芝は肉球に優しく、足腰の負担を和らげてくれます。一方で砂利や固い床はケガの原因になることもあるため注意が必要です。ゾーニングを工夫し、走る場所・休む場所を分けると快適性が高まります。

アジリティや遊具の工夫

庭にアジリティを取り入れると、犬や猫の好奇心や体力を刺激し、ストレス解消につながります。低めのハードルやトンネル、ステップ台などは、運動不足解消に効果的です。特に小型犬や若い犬は遊具を活用することで日常的に運動でき、しつけや飼い主とのコミュニケーションにも役立ちます。
ただし、設置する遊具は安全性を第一に考え、角を丸くしたり、滑り止め加工がされたものを選ぶと安心です。猫の場合はキャットタワーのように立体的な動きを楽しめる設計もおすすめです。

安全確保とデザイン調和

庭は遊び場であると同時に、家族や来客がくつろぐ空間でもあります。そのため、ワンちゃん・ネコちゃんの安全と庭全体のデザインを両立させることが大切です。フェンスや仕切りは脱走防止に役立ちますが、圧迫感が出ないよう植栽と組み合わせると自然に馴染みます。
また、庭全体の動線を考えて犬や猫と人が心地よく共存できる空間を意識することがポイントです。庭史では外構・エクステリア、植栽のプロの視点から、犬や猫の快適性とデザイン性を兼ね備えた遊び場づくりをご提案しています。

外構・エクステリアで安全対策

ワンちゃん・ネコちゃんが庭で自由に過ごせる環境を整えるには、外構やエクステリアの安全対策が欠かせません。特にフェンスや門扉の設計は、脱走防止や近隣への配慮に直結する重要なポイントです。ここでは「フェンス・門扉の高さや材質」「脱走防止と近隣への配慮」「ゲートや仕切り・メンテナンス」の3つを中心に解説します。

フェンス・門扉の高さや材質

犬や猫が飛び越えたり登ったりしないためには、フェンスや門扉の高さを十分に確保する必要があります。小型犬であれば高さ1.2m前後、中型〜大型犬では1.5m以上が安心です。猫の場合は登りやすい格子状のフェンスを避け、表面が滑らかな素材を選ぶことが効果的です。
材質はアルミやスチールなど丈夫なものが基本ですが、デザイン性を重視するなら木製や樹脂フェンスも選択肢に入ります。強度と景観のバランスを考えて選びましょう。

脱走防止と近隣への配慮

外構の役割は脱走防止だけでなく、近隣への配慮も含まれます。犬の鳴き声・吠え声や庭での動きが外に響きすぎないよう、目隠し効果のあるフェンスや植栽を組み合わせるのも有効です。また、隙間のあるフェンスは犬や猫が頭を突っ込んでケガをする恐れがあるため、サイズや形状にも注意が必要です。
さらに、道路に面した庭では通行人とのトラブルを防ぐために、視線を遮る工夫や二重フェンスを取り入れるのもおすすめです。

ゲート・仕切り・メンテナンス

出入口には必ずゲートを設置し、二重ロックや自動閉鎖機能をつけると脱走防止効果が高まります。庭をゾーニングして仕切りを設けることで、ペット専用エリアと人の生活スペースを分けられ、安全性と快適性を両立できます。
また、フェンスやゲートは定期的にメンテナンスを行い、サビや劣化による隙間ができていないかチェックすることが大切です。小さな破損も脱走やケガの原因になるため、早めの修繕を心がけましょう。庭史では安全性とデザイン性を兼ね備えた外構・エクステリア設計を行い、犬や猫と家族が安心して暮らせる庭づくりをサポートしています。

植栽で安全と快適さを両立

庭に植える植物は、見た目の美しさだけでなく、犬や猫にとって安全であることが重要です。犬や猫が誤って口にした場合に有害となる植物も多く存在するため、事前の知識と工夫が欠かせません。ここでは「有害植物と安全な植物」「植栽配置やトゲ対策」「美観と安全の両立」という3つの視点で考えてみましょう。

有害植物と安全な植物

犬猫に有害とされる植物には、ユリ科(ユリ・チューリップ)、アジサイ、キョウチクトウなどがあります。摂取すると中毒症状を起こし、場合によっては命に関わる危険もあるため、庭に取り入れる際は注意が必要です。
一方で、比較的安全とされるのはオリーブやソヨゴ、ハーブ類(ローズマリー・タイムなど)です。木陰を作りながら誤食リスクを抑えられるため、庭木として安心して選べます。ただし、どんな植物も大量に食べると下痢などを起こす場合があるため、基本は「食べない環境づくり」を意識することが大切です。

植栽配置・トゲ対策

植栽は配置の工夫で安全性を高められます。通路やワンちゃん・ネコちゃんがよく通る場所には低木や草花を避け、広めのスペースを確保すると安心です。アガベやサボテンなどトゲのある植物は、庭のアクセントとして人気がありますが、犬や猫が触れるとケガの原因になることも。
配置するなら、動線から外れた庭の奥や花壇の後方、フェンス際など「直接触れにくい場所」に置くのが安心です。
鉢植えにして高い位置に飾ったり、仕切りの内側に配置するのも有効です。
一方で、アプローチや遊び場の近くには避け、犬や猫が自由に動けるゾーンと分けることで、安全とデザイン性を両立できます。

また、鉢植えを使えば移動や高さ調整が可能で、成長に応じて配置を変えられる柔軟性もあります。庭史では、植栽と動線を意識したプランニングで「安全で管理しやすい庭」をご提案しています。

美観と安全を両立

安全性を優先すると庭の見た目が単調になるのでは、と心配される方もいますが、工夫次第で美観と安全は両立できます。例えば、常緑樹を基調にしつつ、シーズンごとに安全な花を鉢植えで取り入れれば、彩りを添えながら管理も容易です。
また、緑陰をつくる高木やグリーンカーテンは、夏の暑さ対策としても有効です。安全な植物を中心にすると、犬や猫も人も快適に過ごせる「安心の庭」が実現できます。

庭の床材と床選び

庭で犬や猫を安心して遊ばせるためには、床材選びがとても重要です。足腰への負担、夏場の熱、掃除のしやすさなどを考えながら、それぞれのシーンに合った素材を取り入れると快適さがぐっと増します。

走り回るスペースは芝(天然芝・人工芝)

天然芝はクッション性が高く、犬や猫の足腰にやさしい素材です。夏場も地表温度が上がりにくいため、熱中症対策にも効果的。ただし水やりや芝刈りといった手入れが必要で、尿による黄ばみや雑草の混入も起こりやすい点に注意しましょう。
人工芝は管理のしやすさが魅力で、一年中きれいな緑を保てます。遮熱タイプを選べば夏場の温度上昇を抑えられますが、安価な製品は熱を持ちやすいため、品質の確認が大切です。

通路や仕切りには砂利・コンクリート

砂利は排水性が高く、雑草対策にも効果的。熱をこもらせにくい一方で、粒が小さすぎると肉球を傷める恐れがあるため粒径選びが重要です。
コンクリートは掃除がしやすく耐久性に優れますが、夏場は熱を持ちやすいため、遊び場全体に使うより通路や仕切りに限定するのが安心です。

休憩や団らんにはウッドデッキ・タイル

ウッドデッキはワンちゃん・ネコちゃんと人が一緒にくつろげる空間として人気。掃除がしやすく、テラス屋根やシェードと組み合わせれば夏でも快適です。ただしメンテナンスを怠ると劣化しやすく、直射日光を受けると表面が熱を持つこともあるため注意しましょう。
タイルはデザイン性が高く清潔に保ちやすい素材。水はけが良く夏は打ち水と併用すると涼感も演出できます。人もワンちゃん・ネコちゃんも快適に過ごせるスペースとして取り入れるのがおすすめです。

ゾーニングで安全性を高める

床材は一種類に決める必要はなく、ゾーニングで組み合わせるのがおすすめです。例えば「走り回るスペースは芝」「通路は砂利」「休憩はデッキ」と分けることで、遊びやすさ・掃除のしやすさ・デザイン性をバランス良く確保できます。
庭史では、外構・エクステリアと植栽のバランスを考えながら、ワンちゃん・ネコちゃんも人も心地よく過ごせる空間をご提案しています。

足洗い場・水回り設備

犬や猫と庭で過ごす時間を快適にするためには、水回りの設備が欠かせません。散歩帰りに足を洗ったり、夏に水分補給をしたりといった日常のケアを庭で完結できると、暮らしがぐっと楽になります。ここでは「足洗い場」「水受けパンや排水設備」「便利な給水・冷却アイテム」など、水回りの工夫を詳しくご紹介します。

足洗い場・水受けパン・排水設備

散歩や庭遊びのあとの足洗い場は、清潔を保つだけでなく肉球の熱を冷ます役割も果たします。立水栓と水受けパンをセットで設置すると便利で、デザイン次第では庭のアクセントにもなります。排水設備は必須で、流れが悪いと水たまりや泥汚れの原因になるため、水はけを意識した設計が大切です。

動線設計や凍結・水はけ対策

水場は「玄関から庭への動線上」や「ドッグラン入口付近」に設けると使いやすさが向上します。冬場の凍結を防ぐためには配管の保温材や水抜き栓を備えておくと安心です。さらに排水経路に砂利や透水性の素材を組み合わせれば、水たまりを防ぎ、雨の日でも快適に使えます。庭史ではデザインと機能を両立させた動線設計をご提案しています。

ミストシャワーや自動給水器の活用

暑い季節にはミストシャワーを取り入れると、庭全体の温度を下げながらワンちゃん・ネコちゃんも楽しんで涼をとれます。また、自動給水器を立水栓に接続すれば常に新鮮な水を用意でき、留守番中でも安心です。最近はペット用の循環式水飲み器や蛇口直結タイプもあり、設置環境に応じた選択肢が広がっています。

水回り設備は「清潔」「快適」「安心」を支える大切な要素です。足洗い場から給水器までトータルで整えることで、犬や猫との暮らしは一層快適になります。庭史では外構・エクステリアと植栽に合わせたデザイン性のある水回り提案も可能ですので、ぜひご相談ください。

夏の暑さ対策

真夏の庭は犬や猫にとって楽しい遊び場である一方、大きなリスクも潜んでいます。中でも注意したいのが熱中症。ここでは危険性と応急措置をおさらいした上で、日差し・床材・水分補給・グッズなど具体的な暑さ対策をご紹介します。

熱中症の危険性・症状・応急措置

犬や猫は汗腺が少なく体温調整が苦手なため、直射日光や地面の熱を受けると短時間で体温が急上昇します。初期症状は「呼吸が荒い」「よだれが増える」「落ち着きがなくなる」など。中期では嘔吐やふらつき、体温40℃以上に達するケースもあります。重症化すれば意識障害や痙攣に至り命に関わるため、早期発見と応急処置が重要です。
応急処置は①涼しい場所へ移動 ②体を濡らして冷却 ③首・わき・内股に保冷剤 ④動物病院へ直行が基本。少しでも異変を感じたら迷わず行動しましょう。

日差し対策

直射日光を避けることは熱中症予防の第一歩です。庭ではシェードやタープを張り、大きな日陰をつくると安心。パラソルは水場や休憩スペースにピンポイントで影を落とせます。
グリーンカーテンは葉の蒸散作用で体感温度を下げ、見た目も涼しげ。ゴーヤやアサガオなど夏に育ちやすい植物が活躍します。さらにテラスルーフやパーゴラを外構に取り入れれば、雨よけ・紫外線カットの効果も加わり、家族全員が快適に過ごせる空間に。

床材の熱対策と時間帯の工夫

夏場のアスファルトや人工芝は60℃近くまで熱を持つことがあり、肉球火傷の原因になります。天然芝や遮熱タイプの人工芝を選ぶことで温度上昇を抑えられます。砂利は排水性が高く熱をこもらせにくい素材ですが、粒径が小さいと足を痛めるため注意が必要です。
また遊ばせる時間帯も重要。真昼を避け、朝や夕方など比較的涼しい時間に外へ出すことでリスクを大幅に減らせます。

水分補給と水場の活用

常に新鮮な水を用意することは基本中の基本です。庭に水場を設け、自動給水器や循環式の水飲み器を使えば安心。足洗い場やミストシャワーを併用すれば、肉球の冷却や庭全体の気温低下にも役立ちます。打ち水も手軽な工夫で、表面温度を一時的に下げる効果があります。

暑さ対策グッズと蚊対策

クールマットやひんやりベストは体温を直接下げるのに有効。ドッグシューズは熱い地面から肉球を守ります。屋外飼育の場合は小屋に断熱材や小型クーラーを導入するのも選択肢です。
さらに夏は蚊の活動が活発になり、フィラリア症など感染症のリスクが高まります。庭には蚊取り器や防虫ネットを設置し、動物病院での予防薬も欠かさず行いましょう。

夏の庭は「日差し・床材・水分補給・グッズ」の4点対策が基本。安全と快適さを両立させる工夫を取り入れ、犬や猫と安心して過ごせる環境を整えていきましょう。

秋・冬の庭のメンテナンスと安全管理

秋から冬にかけての庭は、夏とはまた違ったリスクが潜んでいます。落ち葉や台風、冬の凍結など、季節ごとの課題に合わせたメンテナンスを行うことで、犬や猫が安心して過ごせる環境を守ることができます。

落ち葉・木の実の誤食防止

秋は落ち葉や木の実が増え、犬や猫が遊びながら誤って口にしてしまうことがあります。アジサイやドングリなど一部の植物は中毒の原因になるため、こまめな掃除が欠かせません。庭全体を定期的に清掃し、遊び場は特に清潔を保ちましょう。

台風・強風の備えと点検

秋は台風シーズンでもあり、強風による植木の倒木や飛来物が犬や猫のケガにつながる恐れがあります。鉢植えやガーデン家具は固定するか屋内に避難させ、フェンスや門扉の緩みを点検しておきましょう。倒木しやすい高木はあらかじめ剪定しておくと安心です。

害虫・ダニ・ノミ対策

涼しくなってもダニやノミは活動を続け、落ち葉の下や湿った場所に潜みます。犬や猫が遊ぶスペースは特に注意が必要です。落ち葉を溜めないように掃除を徹底し、防虫剤や庭用のダニ忌避材を適切に使用しましょう。定期的なシャンプーや予防薬も有効です。

冬の凍結・防寒対策

冬は水場や足洗い場の凍結に注意が必要です。凍結防止ヒーターや排水設備の点検を行い、安全に使える状態を保ちましょう。また外飼いの犬猫には、防寒用の小屋や断熱シートを活用し、冷え込みから体を守る工夫が欠かせません。屋外での長時間の滞在は避け、寒さに配慮した庭の使い方を心がけましょう。

季節ごとに異なるリスクを知り、こまめにメンテナンスを行うことが大切です。庭を清潔に保ち、外構や設備を点検することで、秋冬でも犬や猫が安心して過ごせる空間を維持できます。

よくある質問(Q&A)

Q. フェンスの高さはどのくらい必要?

小型犬や猫でも飛び越えないようにするには、最低でも120cm以上は確保したいところです。中型犬以上では150cm〜180cmが目安になります。猫の場合は内側に傾斜をつけたりネットを併用するとより安心です。

Q. 犬や猫に安全な庭木は?

オリーブやソヨゴ、シマトネリコといった常緑樹は誤食リスクが低く、庭に自然な日陰をつくってくれます。ラベンダーやローズマリーなどのハーブ類も比較的安全で、香りによるリラックスや虫よけ効果も期待できます。

Q. 人工芝や床材の暑さ対策は?

人工芝は遮熱タイプを選ぶと温度上昇を抑えられます。天然芝は夏でも地面が熱くなりにくいのが特長です。ウッドデッキやタイルはシェードやパラソルと組み合わせて日陰をつくると、快適で安全な床環境になります。

庭史ガーデンプランナーのコメント

犬や猫に優しい庭づくりのカギは「安全」「快適」「管理のしやすさ」です。
外構・エクステリア・植栽・床材・水回りをバランスよく整えることで、犬や猫も家族も心地よく過ごせる庭が実現します。
庭史ではプロの目線でトータル設計をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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