ドライガーデンの土の種類・配合を解説|プロが教える失敗しない“土づくり”
2025.10.21
お庭づくり

「ドライガーデンを作りたいけれど、土は何を使えばいい?」そんなご相談を多くいただきます。
見た目の印象だけでなく、長く快適にドライガーデンを楽しめるかは土づくりで決まります。
本記事では、ドライガーデンに合う土の考え方を「素材選び」「配合」「深さと構造」の順にご説明します。
山砂・真砂土・軽石・赤玉土の役割や土の基本配合、DIYでできることプロに任せたい工程も解説。失敗しない土台づくりへ導きます。
この記事でわかること
- ドライガーデンの仕上がりを左右する「土の基本知識」
- 排水性と保水性のバランスを取るポイント
- 山砂・真砂土・軽石・赤玉土など素材の特徴と使い分け
- 長持ちする庭をつくる「配合」と「下地構造」の考え方
- DIYとプロ施工、それぞれに向いている範囲
ドライガーデンに合う土とは?|排水性と保水性のバランスがカギ
一見、砂漠のように乾いた景観が印象的なドライガーデン。
ですが、実は排水性と保水性のバランスが、ドライガーデンを作るうえで大切なポイントです。
ドライガーデンの植物、アガベやユーフォルビア、多肉植物などは乾燥に強い一方で、まったく水分がない環境では根が張りにくくなります。
そこで大切なのが、排水性と保水性のバランスです。

水はけが悪い土では、雨が降るたびに水がたまり、根腐れやコケの発生、さらには虫の温床になることもあります。
逆に乾きすぎる土では、植物が水分を吸収できず、成長が遅くなることも。
名古屋をはじめとした愛知県内では、もともと粘土質の土壌が多く、水が抜けにくい傾向があります。
そのため、庭づくりの際は地中に「排水層」を設けて、余分な水を逃がす仕組みをつくることが大切です。
基礎は山砂(やますな)を中心に、表層や見せたい部分に真砂土(まさど)を使い、必要に応じて軽石を組み合わせて排水性を高めましょう。
見た目の自然さを保ちながらも、根が呼吸しやすい環境を整えるのがポイントです。
なお、一般的な園芸で使う腐葉土(ふようど)や黒土は保水性が高すぎるため、ドライガーデンには不向きです。
水はけと乾燥のちょうど中間。 その絶妙なバランスが、植物が元気に育つポイントです。
主な土の種類と特徴|素材を知ると仕上がりが変わる
ドライガーデンは「どんな土を使うか」で、植物の育ちやすさも見た目の印象も大きく変わります。
素材の選び方ひとつで排水性や色味、質感まで変わるのがドライガーデン作りの面白いところです。
ここでは、実際の施工でもよく使われる代表的な素材の特徴を紹介します。
山砂(やますな)
山砂は、ドライガーデンの基礎となる土として、最も多く使われています。
粒が細かく、地面をしっかり支える力があり、同時に排水性も高いのが特徴です。
乾燥に強い植物との相性が良く、アガベやユッカ、ダシリリオンなどの根が伸びやすい環境をつくります。
また、山砂の色は明るいベージュ系で、砂利や石とのなじみがよく、自然なトーンで統一することが出来ます。
風雨で流れにくい点もメリットです。水はけをさらに高めたい場合は、下層に砕石や軽石を入れて層を作るとより安定します。
真砂土(まさど)
真砂土は、花崗岩が風化してできた細かい粒の土で、さらさらとしているのが特徴で、自然なナチュラルカラーが魅力です。
表層の仕上げに使うと、ドライガーデン全体の色調が柔らかくなり、石や植物の造形を引き立ててくれます。
一方で、山砂よりもやや保水性が高く、雨が多い場所では地表が固まりやすい傾向があります。
排水性を確保するためには、下層に軽石を混ぜたり、5〜10cm程度の排水層を設けるのが理想です。
真砂土は特に「見せる層」として活用されることが多く、デザイン性と実用性のバランスに優れた素材です。
軽石(かるいし)
軽石は、火山由来の多孔質な素材で、通気性と排水性の高さが最大の特徴です。
粒の間に空気を多く含むため、植物の根が呼吸しやすく、湿気がこもりにくい環境をつくります。
また非常に軽量なため、屋上緑化や鉢植え、プランターでのドライガーデンにも向いています。
土の配合に加えることで、土が固まりにくくなり、長期間にわたって最適な構造を維持することが出来ます。
ただし、軽石単体では保水性が低すぎるため、山砂や赤玉土と組み合わせてバランスを取ることが大切です。

赤玉土(あかだまつち)
赤玉土は、火山灰土を焼成して作られる粘土質の土で、適度な保水性と通気性を持ちます。
ドライガーデンでは、乾燥しすぎを防ぐ「調整役」として少量混ぜるのがポイントです。
水分を含んでもべたつかず、余分な水は自然に抜けていくため、根腐れを防ぎながら適度な湿り気を保つことが出来ます。
ただし多く入れすぎると排水が悪くなり、土が固まってしまうこともあるので注意しましょう。
赤玉土は、山砂や軽石の6:3に対して「1割程度」混ぜるくらいが目安です。
根の張りを助け、植物の生長を安定させるサポート的な素材といえます。
腐葉土(ふようど)
ガーデニングでは定番の腐葉土ですが、ドライガーデンではあまりおすすめできません。
腐葉土は有機質が多く保水性が高いため、乾燥を好む植物には湿気が強すぎてしまう傾向があります。
過剰な湿度は根腐れやコケの繁殖を招く原因になり、特に多肉植物には不向きです。
ただし、直射日光の当たらない場所や、観葉植物系のドライガーデンに少量混ぜることで保湿効果を得られる場合もあります。
用途を見極めて“控えめに”使うのがポイントです。

バークチップ・化粧砂利
表面の仕上げ材として欠かせないのがバークチップや化粧砂利です。
バークチップは樹皮を細かく砕いたもので、土の乾燥を防ぎ、雨水のはね返りを抑える役割があります。
また時間の経過とともに色が変化し、ナチュラルな経年美を楽しめるのも魅力です。
化粧砂利は、見た目のデザイン性を高めると同時に、雑草の発生を抑える効果もあります。
白やグレー、黒など色味を建物の外観や石の色と合わせると、統一感のある空間に。
粒径の大小を混ぜて敷くと、より自然に立体感を演出できます。
これらの素材をうまく組み合わせることで、排水性・保水性のバランスを保ちながら、見た目にも心地よいドライガーデンを作ってみましょう。
素材の性質を理解して選ぶことが、理想の仕上がりへの第一歩です。
土の配合例と素材選び|山砂+軽石がベース
ドライガーデンの印象を左右するのが、土の配合です。
見た目がきれいに仕上がっても、土の組み合わせが合わなければ、根が張らずに植物が弱ってしまうこともあります。
水はけを良くしつつ、適度に湿り気を保てる配合を意識しましょう。

代表的な配合例は「山砂6:軽石3:赤玉土1」。
山砂は適度に締まりがありながらも排水性が高く、地盤の基礎づくりにも向いています。
軽石は空気を多く含み、根の呼吸を助けながら水はけを確保。
赤玉土は少量を混ぜることで保水性をわずかに持たせ、乾燥のしすぎを防ぎます。
真砂土を混ぜると、表層のなじみをよくする効果があります。
バークチップや化粧砂利を表面に敷くと、乾燥防止にもつながり、見た目の仕上がりも自然に。
そして、DIYで行う場合は、素材の入手場所にも注意しましょう。
既存土の入れ替えが必要な場合は、軽トラック1台で250kg〜300kgの重さが目安です。廃土は自治体のルールに従うか、業者に処分を依頼してください。
山砂や軽石はホームセンターや園芸店で購入できますが、量が多い場合は土木資材店などの業者に依頼したほうがコストを抑えられることもあります。
袋入りの園芸用土は保水性が高いものが多いため、購入前に成分表示を確認しておくと安心です。
配合や素材の組み合わせは、植える植物や地域の土質によっても変わります。
自分で試してみるのも楽しい工程ですが、排水層や土の厚みまで含めて整える場合は、プロに相談するのがおすすめです。
- 山砂をベースに、軽石と赤玉土でバランスをとる
- 真砂土やバークチップで見た目と保湿を調整
- 排水性が悪い地域では、下地に排水層を設ける
- 袋入りの園芸用土は保水性が高いため注意する
- 量が多い場合は、資材店での購入や業者依頼も検討
土の深さと下地づくり|“排水層”を忘れずに
どれだけ配合を工夫しても、地盤のつくり方が適切でなければドライガーデンは長持ちしません。
植物の根がしっかり張れる深さを確保しつつ、地中に水がたまらないようにすることが大切です。
目安となる植栽の深さはおよそ30〜40cm。
その下に、排水のための層を設けることで、水が根に残らず、余分な湿気を逃がすことができます。
理想的なのは「排水層+植栽層」の二層構造です。
施工の流れとしては、まず地面を掘り下げ、底に砕石を敷いて排水層をつくります。
その上に山砂を重ねて下地を整え、表層には赤玉土などを混ぜた植栽用の土を入れ、最後に化粧砂利で仕上げます。
雨水が地中でスムーズに流れることで、根腐れやぬかるみのない環境を保つことが出来ます。

DIYで行う場合は、この「勾配のとり方」に注意が必要です。
水が均一に抜けないと、部分的に湿気がこもり、植物の成長にムラが出ることがあります。
また、防草シートを敷いておくと雑草の発生を抑えられ、山砂や化粧砂利の流出も防げます。
見た目にはわかりにくい“下地”こそ、庭の出来を左右する部分。
排水層をきちんと整えることで、雨の多い季節でも安心して楽しめるドライガーデンを作りましょう。
- 根が張る深さは30〜40cmが目安
- 地中に「排水層+植栽層」をつくる二層構造が理想
- 砕石→山砂→植栽土→化粧砂利の順で層を重ねる
- 勾配をとり、水が均一に抜けるように整える
- 防草シート・土留め施工で雑草や土の流出を防ぐ
“土台”づくりはプロの仕事、DIYで出来ること・難しいことを解説
最近では、ホームセンターや通販で砂利や山砂などの資材を手軽に入手できるようになり、ドライガーデンをDIYで楽しむ方も増えています。
表層の化粧砂利を敷いたり、植物を植えたり、オブジェを配置したりといった装飾部分は、DIYでも十分にチャレンジできる範囲です。
一方で、地面の掘削や排水層の施工、勾配の調整といった“土台づくり”は、経験や専門知識が必要になります。
表面上はきれいに仕上がっていても、数年後に雨水がたまったり、植物が根腐れしたりといったトラブルは意外と多いものです。

庭史では、現場ごとに地盤の状態を確認し、排水層の厚みや素材を調整しています。
目に見えない部分の設計こそが、ドライガーデンを長く美しく保つためのポイントです。
DIYで楽しみながら、土台や構造の部分はプロに相談するようにしてみましょう。
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よくある質問(FAQ)
「普通の園芸用土でもできる?」「山砂はどこで買える?」「雨が多い地域でも大丈夫?」など、
ドライガーデンづくりを始める前によくいただくご質問にお答えします。
Q1. 普通の園芸用土でもできますか?
一般的な園芸用土は保水性が高いため、ドライガーデンには不向きです。
水はけが悪くなると根腐れやコケの発生につながるため、
排水性の高い山砂や軽石をベースにするのがおすすめです。
Q2. 山砂はどこで買えますか?
ホームセンターや園芸店でも購入できますが、
広い面積で使用する場合や量が多い場合は、土木資材店や造園業者に依頼する方が効率的です。
必要な量をまとめて運搬してもらえるため、コスト面でも安心です。
Q3. 雨が多い地域でもドライガーデンは作れますか?
はい、問題ありません。
地中に水がたまらないように排水層をしっかり設けておけば、
根が呼吸しやすい環境を保てます。
雨が多い地域でも、排水計画を整えれば長く楽しめるドライガーデンに仕上がります。
ドライガーデンは、見た目のデザイン性だけでなく、「土」「排水」「植物の組み合わせ」で印象が大きく変わります。
素材選びや施工に迷ったら、ぜひ庭史までご相談ください。

庭史ガーデンプランナーのコメント
ドライガーデンの美しさを支えているのは、「土」です。
排水性・配合・深さをしっかり整えることで、植物が元気に育ち、砂利や石も綺麗に映えます。
DIYで挑戦するのも楽しいですが、長く心地よく楽しむためには“土台づくり”をプロに任せると安心です。
庭史では、土地の状態に合わせた排水設計とデザイン提案で、見た目も機能も両立するドライガーデンを実現しています。
小さなスペースでも、工夫次第でぐっと印象が変わる。
そんな「自分らしい庭づくり」を、ぜひご一緒に考えてみませんか。
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